緑の風と小さな光 第1部
「最後には君が何とか止めたんだが、力を使い過ぎて心臓発作を起こしてしまった。

めちゃめちゃの庭園を見た時は爆弾でも投げ込まれたかと思ったよ。

離宮の人達に被害が及ばなかったのは幸いだった。

…今となっては笑い話だね。」


あの時も庭師のジャルドには散々怒られた。

今のセレの外見からは、こんないたずらっ子だとは誰も想像がつかないだろう。


「ちょっと昔話に花を咲かせ過ぎた。本題に入ろう。

君は自分が死んだと思っていただろう?

何故生きているか、不思議じゃないか?

心臓も普通になっているだろう?

その理由はフィズという魔法石だ。

フィズを作ることになった理由だが、リシュトワールの事はローエンから聞いたと思う。珍しい能力を持った女性だ。

彼女の話だと400年程後の世界はかなり危ない様だ。

魔法も使わずに何千何万という人間を一時に殺戮できる兵器が作られていると言う。

大地や風には生き物を蝕む物質が満ちているとも言っていた。その物質を作ったのは人間だそうだ。

信じられるかね? 想像がつかない…
< 49 / 287 >

この作品をシェア

pagetop