緑の風と小さな光 第1部
「ヴァッシュ様…」

自分の事をここまで思っていてくれたとは…

嬉しかった。

ヴァシュロークの心が沁みる。

これほど素晴らしい人と出逢えた事は奇跡的だと感じた。

…こんな出逢いがまだあるなら…

もっともっと沢山の人と出逢って色々な事を感じたい。それは眠っていたのでは出来ない事だ。


…しかし未来のためにフィズを守り抜くと考えれば『冬眠』の方が安全かもしれない…


横で眠っているピアリを見た。

「小さな光、か…」

彼女との出逢いも、セレに特別な感情を芽生えさせつつあった。

ピアリを「可愛い」と感じ始めていた。

他の人間に感じる「可愛い」とは違う、不思議な感覚…

セレにも初恋はあったから、この感覚が膨らんで行くのでは…という予感はしている。

セレはしばらくの間、ピアリの寝顔を見つめていた。

そして立ち上がり、シエナ達の待つ部屋に向かった。
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