緑の風と小さな光 第1部
ピアリの手招きにセレはついて行った。


丸太小屋に着くと、ピアリは扉を開きざまに大声で言った。

「お父さん!セレよ!セレが目覚めたわ!」

そう言ってから、自分が勝手にセレシュヤーデの事を『セレ』と呼んでいた事に気が付いた。

初対面だし、どう見ても彼の方が年上だ。

それに何故か呼び捨てにしてはいけない雰囲気がある。

…もしかして失礼な事をしている…?

「あの、ごめんなさい。勝手に呼んでいたけれど…。セレ、と呼んでは嫌かしら?」

「別に。構わない。」

セレの答えは無愛想だったが、悪い感じはしなかった。

切れ長の目とやや薄い唇が少々冷たい印象を与えるが、話してみるとそうでもない。

「セレ?!セレシュヤーデ様か?!」

ローエンが小屋の奥から足早に出て来た。


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