緑の風と小さな光 第1部
彼女は果物を買おうとしていたが、少しお金が足りなかった。それでも諦められずにいた所にローエンが来たのだ。
不足分はわずかだったので、ローエンは気にもせず小銭を出した。
それだけだったのだが、エルミアには感動的な事だったのだ。
「数日後、わざわざ礼に来てくれたのさ。家を探し当てるのは大変だっただろうに。」
彼女はそれからもローエンの家に来ては、献身的に身の回りの世話をしてくれた。
いつしかローエンも彼女を受け入れ、一緒に暮らす様になった。
そしてピアリが生まれた。
…そのまま、ずっと穏やかに暮らせると思っていたのだが…
「ある雨の日の事だ。彼女はびしょ濡れになって帰ってきた。ピアリと草原を散歩していた時に急な雷雨にあったんだ。」
ピアリが歩き始めた頃だった。
「雨に濡れた彼女の髪が、うねうねと動いていたんだ。」
ウンディーネの特徴の1つだ。
ローエンは思わずそれをじっと見つめてしまった。
…おそらくは驚きの表情で…
エルミアは自分の正体がばれた事を悟った。
「次の日、彼女の姿は無かった。…あの時、何故すぐに目をそらさなかったんだろう…」
ローエンは首を横に振った。
不足分はわずかだったので、ローエンは気にもせず小銭を出した。
それだけだったのだが、エルミアには感動的な事だったのだ。
「数日後、わざわざ礼に来てくれたのさ。家を探し当てるのは大変だっただろうに。」
彼女はそれからもローエンの家に来ては、献身的に身の回りの世話をしてくれた。
いつしかローエンも彼女を受け入れ、一緒に暮らす様になった。
そしてピアリが生まれた。
…そのまま、ずっと穏やかに暮らせると思っていたのだが…
「ある雨の日の事だ。彼女はびしょ濡れになって帰ってきた。ピアリと草原を散歩していた時に急な雷雨にあったんだ。」
ピアリが歩き始めた頃だった。
「雨に濡れた彼女の髪が、うねうねと動いていたんだ。」
ウンディーネの特徴の1つだ。
ローエンは思わずそれをじっと見つめてしまった。
…おそらくは驚きの表情で…
エルミアは自分の正体がばれた事を悟った。
「次の日、彼女の姿は無かった。…あの時、何故すぐに目をそらさなかったんだろう…」
ローエンは首を横に振った。