緑の風と小さな光 第1部
「では、支度を。」
先に食事を終えていたシエナが立ち上がった。
みんなも次々と食卓を離れた。
「セレ様がお使いになっていた物は昔のままになっています。その中からお入用の物をお選び下さい。」
「ピアリが使える物はあるかな?」
「女性の使用人の衣服などがあると思います。」
早速、それぞれの持ち物をまとめにかかった。
薬、器類、身の回り品、雨具、着替えなど、最低限のものだ。
ピアリはシエナと一緒に女性が使える物を引っ張り出した。
「あら?」
凝った刺繍をあしらった上等なドレスが出て来た。とても使用人が身に着ける様な物ではない。
「誰が着ていたの?」
「これはセレ様のです。」
シエナが笑って答えた。
「…えっ…女装…?」
「俺にはそんな趣味は無い!」
セレが少し慌てて言った。
「ヴァシュロークがセレ様を外に連れ出す時に変装させたのです。正体を知られたら大変ですから。…可愛らしかったですよ。」
シエナが説明してくれた。
「よしてくれ。…13才位までだ。その後は外を歩き回れる程の体力は無かった。」
「……」
ピアリはセレの苦労を少し解った気がした。
先に食事を終えていたシエナが立ち上がった。
みんなも次々と食卓を離れた。
「セレ様がお使いになっていた物は昔のままになっています。その中からお入用の物をお選び下さい。」
「ピアリが使える物はあるかな?」
「女性の使用人の衣服などがあると思います。」
早速、それぞれの持ち物をまとめにかかった。
薬、器類、身の回り品、雨具、着替えなど、最低限のものだ。
ピアリはシエナと一緒に女性が使える物を引っ張り出した。
「あら?」
凝った刺繍をあしらった上等なドレスが出て来た。とても使用人が身に着ける様な物ではない。
「誰が着ていたの?」
「これはセレ様のです。」
シエナが笑って答えた。
「…えっ…女装…?」
「俺にはそんな趣味は無い!」
セレが少し慌てて言った。
「ヴァシュロークがセレ様を外に連れ出す時に変装させたのです。正体を知られたら大変ですから。…可愛らしかったですよ。」
シエナが説明してくれた。
「よしてくれ。…13才位までだ。その後は外を歩き回れる程の体力は無かった。」
「……」
ピアリはセレの苦労を少し解った気がした。