緑の風と小さな光 第1部
「本当かい!冗談のつもりだったんだが…。ほう、国王陛下以外の魔法使いを見るのは初めてだ。」
「国王陛下…お元気ですか?」
「ああ。ヤールシュレイテ国王陛下は至ってお元気さ。」
…ヤール?…そうか。ヤールは王位を継いだのか…。
あれから7年経っているんだから今は26才…いや、そろそろヤールの誕生日だ。27才になるのだ。少し早いが、王位を継承してもいい年齢だ。
戴冠式を見たかったな…
「前王は?ご存知ですか?」
「あまり心臓が良くないとかで退位したらしい。重病とまではいかないそうだけどね。別荘で療養していると聞いた。」
…俺の心臓の病気は父上譲りだったのだな…
「そうですか…」
母の事も聞きたかったが、これ以上は身分を怪しまれるかもしれない。
「しかし今度の国王陛下は細かすぎるな。顔がいいから女にはもてるだろうけど。」
少し酒が廻って来たのだろう。国王への不満を不用心に語り出した。
「ハーブを禁止されたらファムも作れやしないよ。」
ファムとはこの地方独特の調味料だ。数種類のハーブを塩漬けにして作る。家庭ごとに少しずつ違う。それぞれ自慢の味だ。
「国王陛下…お元気ですか?」
「ああ。ヤールシュレイテ国王陛下は至ってお元気さ。」
…ヤール?…そうか。ヤールは王位を継いだのか…。
あれから7年経っているんだから今は26才…いや、そろそろヤールの誕生日だ。27才になるのだ。少し早いが、王位を継承してもいい年齢だ。
戴冠式を見たかったな…
「前王は?ご存知ですか?」
「あまり心臓が良くないとかで退位したらしい。重病とまではいかないそうだけどね。別荘で療養していると聞いた。」
…俺の心臓の病気は父上譲りだったのだな…
「そうですか…」
母の事も聞きたかったが、これ以上は身分を怪しまれるかもしれない。
「しかし今度の国王陛下は細かすぎるな。顔がいいから女にはもてるだろうけど。」
少し酒が廻って来たのだろう。国王への不満を不用心に語り出した。
「ハーブを禁止されたらファムも作れやしないよ。」
ファムとはこの地方独特の調味料だ。数種類のハーブを塩漬けにして作る。家庭ごとに少しずつ違う。それぞれ自慢の味だ。