緑の風と小さな光 第1部
「魔法使いは酒に酔わないって話だけど
 特別な酒があるそうだよ…

 それを飲んだらどんな魔法使いも、ただ の酔っ払いさ。
 王様だって隙だらけになるだろ…

 …そうかお前さんも酔わないんだな。」

「酔わないけど、美味しいから。」

「そうなんだよ。これはいい酒なんだ!
 あんた、わかるねぇ!」

かなり酔って来ている。話がそれてしまった。

「特別な酒って、何ですか?」

「スズメバチの毒から作るんだってよ。
 どうやって作るんだろうなあ?
 普通の人間が飲んだら死んじまうよ。」

初めて聞いた。勉強不足だ。

「それを国王に飲ませる…?
 でも、王宮には入れないでしょう。魔法 のシールドが邪魔をする。」

「国王の誕生祝賀会の時は入れるだろ?
 娘の婿が王宮で働いているから知ってる よ。」

口の軽い奴がいるものだ…

それよりも

「今日は何日ですか?」

セレは目覚めてから、正確な日付を確かめていなかった。
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