緑の風と小さな光 第1部
見えた。
さすがに大きい。離宮の10倍は軽くありそうだ。
高い石塀に囲まれていたが、セレは軽々とその上に跳び乗った。
塀のすぐ内側には、見えない魔法の網が張り巡らされている。常人はここから先へは入れない。
だが、これもセレには問題無い。するりと通り抜け、庭に飛び降りた。
衛兵はいるが、彼等に見つからぬように走り抜けるのは難しくない。
中央の塔の最上階を目指して走る。そこに王の寝室がある。
しかし予想通り、セレが塔に近付いた時に国王の側近の魔法使いが気付いた。
「安々と入って来るとは、何者だ?」
タリヤ「忠実」という名の魔法使いだ。
ダークブラウンの長髪を後ろでキッチリと1つに結んでいる。
「どんな奴だ…?取っ捕まえて全て吐かせてやる!」
タリヤは呪文を唱えた。
セレに大地の魔法がかかった。
「うっ!」
足が地面に貼り付いた。転びそうになる。
すかさずカウンターの魔法。重力を弱める。何事も無かったかの様に、また走り出す。
「私の魔法を簡単に打ち消すとは…」
そんな魔法使いがこの辺りにいるなんて聞いたことが無い。
タリヤは警戒を強めた。
さすがに大きい。離宮の10倍は軽くありそうだ。
高い石塀に囲まれていたが、セレは軽々とその上に跳び乗った。
塀のすぐ内側には、見えない魔法の網が張り巡らされている。常人はここから先へは入れない。
だが、これもセレには問題無い。するりと通り抜け、庭に飛び降りた。
衛兵はいるが、彼等に見つからぬように走り抜けるのは難しくない。
中央の塔の最上階を目指して走る。そこに王の寝室がある。
しかし予想通り、セレが塔に近付いた時に国王の側近の魔法使いが気付いた。
「安々と入って来るとは、何者だ?」
タリヤ「忠実」という名の魔法使いだ。
ダークブラウンの長髪を後ろでキッチリと1つに結んでいる。
「どんな奴だ…?取っ捕まえて全て吐かせてやる!」
タリヤは呪文を唱えた。
セレに大地の魔法がかかった。
「うっ!」
足が地面に貼り付いた。転びそうになる。
すかさずカウンターの魔法。重力を弱める。何事も無かったかの様に、また走り出す。
「私の魔法を簡単に打ち消すとは…」
そんな魔法使いがこの辺りにいるなんて聞いたことが無い。
タリヤは警戒を強めた。