異国の王子様
「ありがと。」
「おう!」
部員の協力は素直に受け取ったほうが
いいことは、もう一年以上マネージャーを
してきて、学んだことだった。
「今度の大会の調整できてる?」
歩きながらわざと聞く。
「当たり前だろ?」
ふっと笑いながら自信ありげにあたしを見る拓哉。
こうやって部員の自信を付けさせたりするのも
また、マネージャーとして大事なことだったりする。
「夏の甲子園逃して悔しかったからねぇー。
春の選抜は甲子園つれてってね!」
ニコリとわらえば、
急に動きの固まる拓哉。
???あたし変なこと言ったっけ??
「拓…「なぁ!」」
拓哉?ときこうとしたところで、
急にこちらに向き直る拓哉。
真っ黒に焼けた肌に身長の高い
がっしりとした体格。
爽やかなスポーツ青年な拓哉。
うん、やっぱこいつモテるだけあるな。
なんてふむふむ思っているあたし。
「俺さ…「みずきさーん!水ください!!」」
拓哉がなにか言いかけたところで
後輩部員からの水ください。という声。
「ごめん拓哉後でまた話聞くから、
ちょっと水行ってくる!」
びっくりした顔の拓哉だったが
おう!
と笑顔で答えてくれたため、
あたしは部員のもとにかけて行った。