慰めのその後に
やっぱり思うのは和哉ペースが丁度いいって事。
殆ど同じペースだからグラスが空になるタイミングも注文するタイミングも一緒。
「麦か芋」
「芋」
「芋ロック二杯お願いします」
煙草を吸う和哉にかわって店員さんに注文していく。
頭を下げて去っていく店員さんを確認してから身を乗り出し和哉に近付いて小さな声で呟く。
「今の子、和哉を好きみたい」
「は?」
「私が注文してるのに和哉だけを見続けてた。可愛い子だったから話しかければ?」
気分が大学生に戻ったみたいに、瞳をハートマークにし和哉を見つめてた店員さんにニヤニヤしてしまった。
もう28なのに子供みたいにはしゃぐ自分ってどうよ?
でもまあ、今日くらいはいいよね。