慰めのその後に
注文したものが来るのを待ち、卵焼きを口に含みながら思っていた。
それはさっきヒールの事を言っていた時に思っていた事を。
和哉は私に履いたお前が悪いと言ってきたけど、本当は私だって履きたくて履いたわけじゃない。
確かに線が綺麗になるのも履いた理由の一つ。
でも、本当の理由は尚之とリリアの為。
為って言っても可愛い‘為’じゃない。
少しでもいいから尚之とリリアに綺麗に見られたかった。
別れてからの方が綺麗になったと思われたくて、ウェディングドレスは着れなかったけど、こんな高いヒールの似合う女になってやった!と。
けして口にはしない私の本音。
はっきり言って尚之の事はもうどうでもいい。
どうでもいいからこそそう尚之とリリアに思われたいのかもしれない。