慰めのその後に
この式場に来るのは二回目。
一回目は元婚約者の尚之と下見に、二回目の今日は結婚式を出席する為。
元婚約者尚之と相手リリアから招待状が送られてきたから。
「すげぇな」
そのすげぇなは夕陽を見て言ったのか意地で来た私に投げ掛けたのかよく分からない。
どちらにせよ私はツラい。
何が嬉しくて元婚約者の尚之とそれを知っているリリアにおめでとうと言わなくちゃいけないのか。
和哉も思ってるだろう。
意地だけでノコノコやってきた私にも、そんな私に招待状を送り付けた尚之とリリアにも。
「一本頂戴」
「お前吸わねぇじゃん」
「今はそんな気分」
煙草の箱から一本取り出し私にくれた和哉はジッポはくれないらしい。