慰めのその後に
03
居酒屋を出ると雨は降ってないものの風が冷たく、空もどよんと月が隠れていて。
便所してから出ると言った和哉を居酒屋前にあるガードレールに腰掛けながら、風にあたりそんな空を見上げる。
「はぁ…」
ドレスの上に軽く羽織ってるとは言え少し寒い…
アルコールを取ってなかったらブルッと震えたかも。
入り口から和哉が出てくる姿が見えてガードレールから降りたそんな私に気付き近付いてくるなり。
「これ着とけ」
スーツの上着を私の頭に被せるように投げ付けてきた。
「え、和哉?」
「俺はあちぃから」
そう言った和哉はシャツの袖口ボタンを外しながら、スタスタと私の家がある方へ足を進めていく。