慰めのその後に



「思い出しただけでも笑えちゃう。そういえばブーケはどうしたの?」

「いらねぇよあんなもん」





ケッという和哉。


そこがまた和哉らしいと言えば和哉らしいけどさ。


そんな事を話してる間に私のマンションに到着し、玄関の扉を開けた。


和哉をダイニングキッチンまで通し棚からお目当ての日本酒を出していると――





「え…」





背後から煙草の香りが私を包み込んだ。


正式に言えば和哉の腕が。


いきなりの事で戸惑いながらもその腕から逃げ出そうと身体を捩るものの、より強くなる和哉の腕からは逃げ出せない。





「なにして」

「何ってお前を抱き締めてる」

「酔っぱらってる…?」

「俺があんだけで酔っぱらってるように見えるか?」



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