慰めのその後に
ドクンドクン心臓が大きく大きく動く。
「から、かってるでしょ」
「からかってない」
耳元に和哉の吐息を感じて口を閉ざす。
酔っぱらってない。
からかってもない。
それなのに私を背後から抱き締めてきた和哉。
どうして…
「どうして?って思ってるだろ」
「……っ」
「答えてほしいか」
小さくコクリと頷く。
無理だ。
今、声を出すのは出来ない。
「寂しいくせに強がって、泣きたいくせに我慢して、見たくもねぇ姿を見に来て」
なにを…、和哉は何を言ってるの。
「偽りの笑顔つくって、そのくせ途中で逃げ出して」
「やめて…」