慰めのその後に
「全部俺にぶつけてくれよ…、なぁ!」
「……っ」
「胸貸してやりてぇんだよ。ずっと、ずっとずっと俺だって我慢してんだよ」
和哉の腕の力が緩み、私の背中に和哉の頭があたる。
「頼むから…、紗季」
和哉はいつからか私の名前を呼んでくれなかった。
お前やてめぇやコイツや、それが和哉にとっても私にとっても当たり前になっていた和哉の口から――
「貸して、くれないの?」
ビクッと和哉の腕が揺れ、背中に当たっていた和哉の頭が動く。
「貸してやる」
ぐいっと私の身体は動き、棚を見つめていた私の目が和哉の胸元に埋まる。
その途端に溜め込んでいたものが弾けたように、声を出して泣き叫ぶ。