慰めのその後に
全部和哉の言う通り。
寂しいくせに強がって、泣きたいくせに我慢して、見たくもない姿を見に行って。
偽りの笑顔つくって、そのくせ途中で逃げ出して。
未練も…、本当は本当は本当はある。
7年も付き合ってたんだから2年もしない内に、尚之を忘れられるわけがない。
尚之と過ごした日々は幸せだった。
「紗季紗季紗季」
ずっと泣き続ける私の頭を抱き寄せて、もう片手で背中を摩ってくれる和哉は。
ずっとずっと紗季と呼び続けてくれた。
それは今まで言わなかった私の名前を呼んでるみたいで…
「紗季紗季、大丈夫だ」
そんな和哉に甘えるようにひたすら縋り付く私はとても滑稽だろう。
でも、今だけは許して…