☃桜舞う頃 夢見頃☃
担任の 宮本早兎 (みやもとはやと)は
文字通り
名前にウサギという漢字がついていることから
クラスでの愛称がすっかり「ウサギ」
になってしまったことを
どうやらひどく気にしているらしい。
「全員、入るところからやり直し!
名前とクラスを言って''静かに''に入室!」
緑のジャージで仁王立ちの宮本に、
えー…
といいながら、6人はぞろぞろと廊下へでる。
「2年普通科の羽入です!」
「同じく六道です…」
「吉野です」
「見沢でーす」
「花筐でーす」
「ユウヤでーす」
再びぞろぞろと職員室に入る。
未だ仁王立ちの宮本は
つりあげた眉をピクピクさせる。
「クラスを省略するな、クラスを。ほんとにお前らは面倒くさがりだな」
「ぇー俺ちゃんと言ったのに…」
「あと、藕翁、苗字を名乗れ、苗字を」
「名前って言ったのウサギ先生なんですけどー」
「口答えも多いな…」
「先生、そろそろ本題行こうよー」
「なんだかんだ一番騒がしいのはウサギだと思う…」
わいわいわいわい
結局は騒がしくなるようだ。