☃桜舞う頃 夢見頃☃



「それでだな、」



一通り騒いだあとで、宮本が切り出す。



「お前らに確認しなければならんことがある」



そういうと、
宮本は自分の机の引き出しを開けて
中から6枚のプリントを出した。



「6人とも、今年も寮暮らしか?」



6人とも揃って首を縦にふる。



「そうしたらな、この同意書に親御さんの印鑑をいただかねばならん」



今度は6人とも首をかしげる。



「教科書購入だとか、簡単な書類なら
こちらから、家の方に送らせていただいて
また送り返していただく。
と、こうなるわけだが。
こればっかりは、最近物騒な話も多いしな。
きちんと、親子揃った状態で
担任、つまり俺も居る場所で手続きするってわけなんだが…」



言いにくそうに宮本は告げる。



「まじかぁ…」


「つまりそれって
ウチらの親をここに呼ぶってこと?」



「まぁ、そうなるな」



明らかに嫌そうなその声に
宮本はため息まじりに肯定する。



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