☃桜舞う頃 夢見頃☃



「はな のせいじゃないだろ」



翔の言葉に



「それはそうだけど…」



と俯く彼女。



「その点に関しては、
私が出しゃばらせてもらう、でどうかしら」



渢香が不敵に笑って言った。



「どういうこと?」



それまで黙っていた美弥渼が口を開く。



「まぁ…なんというか。ほら要するに、
はな のお宅は男女が一つ屋根の下なんてとんでもない!ていう点に関して反対してるわけだから、こう、ちょちょいと、ね?」



ちょちょいとのところを知りたいところだが
とりあえず、話しは進む。



「それで、ミヤビは?」



和匡が控えめに尋ねる。


美弥渼は少し、遠くを見るような目をしてから
和匡の顔を見て


「たぶん、連絡もつかないから。」


とだけ言った。



< 33 / 38 >

この作品をシェア

pagetop