カラ恋
「……それ、誰か分かった?」

「わ、かんな…いっ」

「え……」

でも…

「竹島くんは、そ、の人のこと…っ!
…好き、なんでしょう……?」

「…………」

竹島くんは、それについては何も言おうとしなかった。

どう受け取るべきか悩んだけど、私はそれを肯定と受け取った。

沈黙が私たちを包む。

痛む胸が苦しくて。

私は耐えられなくなってしまった。

「だ、大丈夫!
誰にも言わ、な……っから!」

「え、いや──」

「その……私、人の秘密は、い、わな、い人だから…っ」

ブンブンと頭を振って、私は「へへっ」と笑ってみせる。






あぁ。顔、見られなくて良かった。

「……っ!!」

涙が、止まらないや……。

曖昧に笑いながら泣くなんてそんなの、私の気持ちがバレちゃう。

だから、振り返ったりなんてしない。

それに、そんなことしても困らせることなんて目に見えているでしょう──?
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