カラ恋
ぐるぐる、ぐるぐる。

混ざって、からまりあって、何が何だか分からなくなって。

……本当、私は弱虫だね。

竹島くんの話、聞こうともしないんだもん。

でも、そんな弱虫でもいい。

竹島くんの好きな人のことなんて、どうしても聞きたくなかった。

「離して…っ」

なのに

「……いやだ」

ねぇ、どうして?竹島くん。

どうして、私を抱きしめてるの──?

ひかれた腕。

引き寄せられた身体。

伝わる体温に、鼓動がどんどん加速していく。

それと同時に、胸の痛みも強くなっていって……。

「あ、あの…」

その腕から逃れようと、もぞもぞと身体を捻らせてみるけど。

「……離さないから」

余計に腕の力が強まり、完全に逃げられなくなった。
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