カラ恋
な、なにこれ、なにこれ!?

さっきまで締めつけられていた胸が、別の意味でぎゅーっと苦しくなる。

あわあわと慌てる私を、竹島くんがさらに強く抱きしめてくるから、話を聞く聞かないという話なんて、とっくにそっちのけになってしまった。

「に、逃げないし……。その…恥ずかしいから、離して…ほしいかな……っ」

抱きしめられるくらいなら逃げないから…っ!

顔が熱くて、赤くなっていることなんて自覚してるから!

竹島くんは、そんな私の考えてることが分かってるのか分かってないのか。

「やだ」

“やだ”って……。あなたは子供ですか…?

「だってあんた、離したら今度は恥ずかしくなって逃げそうだし」

……はい。おっしゃる通りかもしれないです。
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