カラ恋
なんで気づかずにいられたんだろうな、と竹島くんは言った。

「気づいたとたんに目を離せなくなった。
なんかすごい気になってた」

と、話したと思ったら

「ていうか本当になんで気づかないわけ?
あれ授業中に描いたやつだけど、俺の席の角度てきにあんただって分かるでしょ。
しかも、窓際の列で髪がこんなに長いの、あんただけだから」

「あ……。そ、そうだったね……」

なんかすごいしゃべってきて、私は慌ててそれに答える。

ど、どうしよう。なんかすごく……

「顔、赤いよ?」

「……うるさい」

かわいいんだけど。

胸にうずめていた顔をあげると、耳まで真っ赤な竹島くんがいて。

恥ずかしくて話を変えたのかな?

「ふふっ」

「……なに笑ってんの」

「……かわい」

「うっさい」

あぁ…
< 19 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop