カラ恋
「……うん。綺麗だ」

一瞬、何のことを言ってるのか分からなかった。

だけどすぐに、私の後ろにある景色のことなんだと気づく。

私も後ろを向いて、その景色を見る。

カラスが一羽飛んでいた。

「……うん。綺麗だね」

赤と紫のグラデーション。

もうすぐ冬が訪れるという、秋の夕暮れのことだった。
< 7 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop