絶対に好きじゃナイ!
不安な気持ちごと、全部もらってもらえばいいと思うのーー
その日一日、そう言ってくれた夫人の言葉が頭をぐるぐると回った。
仕事をしながらも、頭の隅でずーっと考えていた。
意地が邪魔して、全然素直になれないんだけど。
だけど、意地っ張りなわたしをまるごと見せちゃうことはできないかな?
たとえそのことで、社長を困らせることになったとしても。
困らせちゃえばいいんだって、要さんも言ってた。
どのみち、このまま社長が手の届かないところへ行っちゃうなら。
意地っ張りでもなんでもいいから、ちゃんとこの気持ちに決着をつけたいなーー
って思ったんだけど、
決着って一体どうやってつけるの!?
社長がわたしに甘い攻撃を仕掛けてくることはもうなくて、ただの社長とその社員に戻ってしまった。
というか、むしろマイナス。
そんな状態でも社長がかっこいいのは相変わらずで、自分の気持ちを自覚したわたしは今度は気を抜けば暴れだす心臓を宥めるだけで1日が終わってしまった。