絶対に好きじゃナイ!

『ははは、いやーよかったね! やっとまとまって。しかしこれで虎鉄のロリコン説はますます有力に……』


黙っていた要さんが突然しゃべりだすと、社長がブチリと音がするほど勢いよく通話を切った。


あ、あの……
こめかみがピクピク動いてますけど!


「ところでだな」


気を取り直したように社長が言って、もぞもぞとわたしを抱き直す。


「このまま家に連れ帰ってもいいか?」

「え?」

「今日はちゃんとアルから、もう逃がさねえ……」


もう昨日から、お前が欲しくて堪んねえんだけどーー



耳元で甘く響かせた低い声に、わたしはぶるりと震えた。


「な、なななな、なんでそういうこと言うんですか!」

「なんで? そりゃ、お前のことが好きだからだろ」


んもう!
社長ってば、甘ったるいスイッチが入るとほんとにとことん甘いんだ。

わたし、この人といて心臓がもつのか自信ないよ!
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