絶対に好きじゃナイ！

つい尖らせたわたしの唇をむにっと摘まんで、最後まで聞けって言う。


「その代わりと言ってはなんだが……、もうお前以外の女を抱いたりしないから」


鼻の先にちゅっと小さなキスを落として、囁くようにそう言った。

そしてふたりだけの秘密を打ち明けるように、顔を寄せてそっと魔法をかける。


少し触れた唇の上で囁かれる、甘い魔法のようなその言葉。




「俺を飢えさせるのも満たすのも、梨子だけだ。今日から俺は、お前だけのもんだから」



震えて溶ける魔法の言葉は、優しくわたしに注ぎ込まれる。

キスと一緒に奥深くまで染み渡って、またもやわたしをへなへなにさせた。







この人の甘ったるい攻撃のせいで、わたしはいつも防戦一方。
完全に捕えられたわたしは意地という意地を必死にかき集めてるけど。


この先の延長戦、わたしに勝ち目はない気がするのーー





period１:小猫の束縛

(お前の無自覚な攻撃のせいで、防戦一方はこっちの台詞だ！)