絶対に好きじゃナイ!
period2:欲張りな虎
「ええー!そうだったんですか!?」
『そうそう、俺たちもそのためにいろいろ裏工作してやってさあ』
懐かしいなあ、と電話の向こうで笑うのは芹澤要さん。
わたしのか、かか、彼氏である社長の昔からのお友だち。
どうしてわたしが彼と電話をしているのかというと、それは数十分前までさかのぼるんだけどーー
恋人同士になったわたしと社長は、大抵週末になると社長の家でお泊まりをする。
連れ込まれていると言ってもいいんだけど、社長はだいぶわたしの操縦を覚えて意地っ張りを上手く操り、なんやかんやとわたしは自分の意思でこの部屋に来てる。
そして今日も事務所からそのまま社長の部屋にお邪魔して、ふたりで夕飯をつくって食べた。
因みに社長はお料理まで器用にこなすので、ちょっと身の置き場がない。
だけど8歳の年の差のおかげで、ふたりきりになるとべたべたに甘やかそうとする社長に内心抵抗がないのも最近の悩みどころなんだけど。