絶対に好きじゃナイ!
仕方がないからなるべく目立たないようにして、美味しいごはんだけ頂くことにしよう。
「彼氏さん、なんか言ってた?」
「……いや、来ること言ってないし」
だって、あの状況で社長にひとこと言ってから来るなんて不可能だもん。
お仕事に集中してる社長に声をかけるのは、ただでさえ気合がいる。
「ほんとごめんね! 適当に抜けても大丈夫だと思うけど、もう少しだけいてね」
「うん、いいよ」
確かに、来てみてわかったんだけど、確実に男の人のほうが人数が多いもんね。
これじゃあ、合コンと言うにも少し無理があるかもしれない……
だけど男の人ばっかりなせいで、それはそれで話が盛り上がってる。
わたしはみんなの笑い声を聞きながらときどき適当に相づちを打って、もくもくとお腹を満たしていた。
「じゃあわたし、これで帰るね」
お腹もいっぱいになったし。
お話もだいぶ落ち着いてお開きの雰囲気になったから、友だちにお金だけ渡して帰ることにした。
さすがに二次会とかの話にまで巻き込まれたら困るからね。
「うん! ほんとにありがとう! 気をつけてね」