絶対に好きじゃナイ!
「もう! わたしほんとに怒ってたんですからね!」
わたしの目を塞ぐ社長の手のひらをベリッと剥がして睨みあげると、久しぶりにばっちりと目があって社長がふにゃりと嬉しそうに笑う。
「ああ、ほんとにわるかった」
「今日はやり直しですからね!」
「頼むよ。プレゼントは梨子からの"好き"がいいんだけど」
「ちょ、調子に乗らないでください! そんなの絶対あげませんから!」
ぷりぷり怒るわたしの鼻先に、社長が笑って小さなキスをする。
ちょっと反省してると思ったのに!
もうすっかりいつもの社長に戻っちゃったじゃない!
だけど、まあ。いいか。
ふくれっ面のわたしを抱きしめる社長が、すごく嬉しそうな顔をしてるのがわかる。
わたしが見たかったのはこの笑顔だったんだって思ったら、なんだかぽかぽかと頬が熱くなっていった。
言葉にしなきゃ、伝わらない気持ちがあると言うけれど。
激しい恋愛闘争を繰り返すうちに、"好き"の2文字には収まりきらなくなったこの気持ち。
言葉では伝えられない気持ちを、どうやって伝えたらいいんだろうーー
period4:虎VS猫
(それにしてもプレゼントに虎のスタジャンって、これいつ着ろっつーんだ?)