絶対に好きじゃナイ!
「そろそろタイムリミットかな」
わたしがあれやこれやと妄想に耽っていると、要さんがぽつりとそう言った。
「へ? タイムリミットって……」
なんか用事でもあったのかな?
いやいや、だったら突然公園に寄ろうなんて言わないはずだよね。
要さんが、首を傾げるわたしと向き合う。
街灯に反射して軽く俯く眼鏡の奥の表情が、よく見えなかった。
「梨子ちゃんは、彼氏が欲しいの?」
「え? うーん、まあ……」
そりゃ、欲しいか欲しくないかと言われれば欲しい。
でもそういう言い方されると、なんか違うような気がする……
「それとも、キスやその先のことを教えてくれる相手が欲しいのかな?」
そう言って顔を上げた要さんと目が合って、わたしは息をのんだ。
笑ってる……
いや、顔は笑ってるけど目が笑ってない!
な、なんかわかんないけど、これはヤバいんじゃない……?
今度の勘は頼りにならない勘なんかじゃない。ずっとこの人たちを見てきた幼いわたしが、絶対ヤバいって言ってる!