絶対に好きじゃナイ!
「虎鉄!」
なんだか嬉しくなっちゃって、わたしに覆いかぶさる社長の首に腕をまわしてぎゅっと抱きついた。
驚いた社長の不意をついて、そのままころんと身体を入れ替える。
わたしに組み敷かれる、大きな虎。
目を丸くする社長を見下ろして、わたしはその唇に小さなキスをした。
「いつか絶対、わたしを虎鉄のお嫁さんにしてね」
"絶対"の保証なんて、どこにもない。
それでも、あなたがくれる保証なら。
どんなに儚いものだって、いつまでだって信じていられると思うんだよ。
わたしにつられて、社長が顔をくしゃくしゃにして笑ってくれる。
「生意気だな」
「そんなの、前からだもん」
小学生だった、生意気な女の子。
あのときのわたしを見つけてくれたのは、他でもない、あなただから。