絶対に好きじゃナイ!

「あっ!」


わたしを抱きしめた社長がくるりと身体を入れ替えて、またあっという間にわたしは社長の身体の下。

社長が着ていたTシャツを脱ぎ捨てて、にやりと笑ってわたしを見下ろした。


「そうと決まれば、先手必勝。手加減はなしだ」

「え!? き、今日はもう……!」

「なんだ? もう降参か?」


くっ、くそーーー!
なんか悔しい!

そんなふうに言われたら、大人しく降参だなんて言えないもん!


わたしは甘い疲れに支配される身体を叱咤して、社長をキッと睨み上げた。


「そ、そんなわけない!」


社長が優しく目を細めて笑うと、こつんとおでこを合わせて言った。



「好きだ、梨子」



わたしの意地っ張りをつついてみたり、こんなふうにふにゃふにゃにしてみせたり。

気付けばもう、悔しいくらいに社長の思い通りに操られてるんだ。
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