絶対に好きじゃナイ!

「うそ!」

「え、えぇぇ」


その答えについ大きな声を出したのがわたしで、しゅるしゅると縮んでいくような声を出したのが松丸くん。


「なんだ、俺が行くと問題でもあるか?」


そう言ってわたしたちをスッと見据えた社長に、ふたりでぷるぷると震え上がった。


や、やめてください、その目!

ただでさえ鋭い視線が完全に据わっちゃってるんだから!


そんなわたしたちを見て、紫枝さんがくすくすと笑った。

そして結木さんも加わって5人で少し季節のはやい鍋パーティーをすることにした。


社長まで来るって言ったのには驚いたけど、でもよく考えたら再会してから会社以外でゆっくりと会うのははじめてかもしれないし。

こうして仲のいいこの事務所がだいすきだし。

わたしはなんだか弾む気持ちで、松丸くんとやいやいお話をしながら、先頭に立って紫枝さんの住むマンションに向かった。
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