絶対に好きじゃナイ!
そう言ってわたしの二の腕をガシッと掴む松丸くん。
うーん、確かにすっぽり収まっちゃってるけど……
「それ、松丸くんの手が大きいだけじゃないですか?」
「いや、違うって。絶対梨子ちゃんが細すぎる……ぅわ!」
「梨子、俺にもおかわり」
わたしの腕をぺたぺた触っていた松丸くんを押しのけて、ふたりの間に社長が割り込んできた。
社長の向こう側に、松丸くんがひっくり返ってるのが見える。
「あの、でも、松丸くんがいっぱい食べちゃったからもうないんですけど……」
「ん、そうか」
そう言うとそのままわたしの隣に腰をおろした。
おかわり、あっさり諦めたけどそんなに欲しかったわけじゃないのかな?
結木さんはというと、少し離れたところで缶ビールを片手に未だにひっくり返ったままの松丸くんに話しかけていた。
「松丸、お前それ、いくら酒入っててもたぶんセクハラ」
「そ、そんなぁ……、結木さんまで俺を邪険にするんですかぁ?」