絶対に好きじゃナイ!
「梨子ちゃん、もう帰っちゃうの? また俺と飲みにでも行こうよ」
「いいですよ、いつでも誘ってください。でも今日は合コンに行きます」
わたしの言葉にがくっと机に突っ伏したのは同期の松丸くん。
彼は現在23歳で4年制の大学を卒業してから新卒でここへ入社した。
年が近いから、結構仲が良くて年下のわたしをよく可愛がってくれてる。
そして、フロアの奥のデスクで今もPCとにらめっこをしてるあの人。
あれが、うちの社長。
「社長。お先に失礼します」
「ん?ああ……あ?お前また合コンか?」
うっ……、そ、その目で睨まないで!
だから元ヤンとか言われちゃうんだよ、この不良社長!
「はい、崖っぷちなんで」
「なにが崖っぷちだ。まだ20だろーが」
「お言葉ですが社長、わたし先日21歳になりましたので」
わたしの言葉にそうだったか?と言って、少し目を丸くした社長。
はやいもんだな、なんて感心してる。