絶対に好きじゃナイ!

「でもこてつ、この前女の子と一緒にいたよ!」

「くくく、見られてるな虎鉄。ゆきのことかな? それともさおりかな?」

「黙れ、要」


鋭い目をした社長が要さんを睨みつける。

それでもへらへら笑ってた要さんって、今考えたらかなりの強心臓の持ち主だったのかもしれない。


「だけどな、梨子嬢。俺たちたまに悪いことしちゃうんだぞ、ケンカとか。そしたら先生に怒られるぞ」

「いいの! りこ、せんせーに怒られてもいい! こてつと行きたい! 悪いこと、りこにも教えて!」


目をきらきらさせながら言ったわたしに、社長も要さんもたっぷり3秒は固まってた。

今のわたしなら、絶対に言えない台詞だもん。



「……おーう、梨子ちゃん。録音するから、今のもう一回言ってもらっていいかな?」

「ふざけんな、アホ。俺はお前にそういう趣味があったら今後一切口はきかん」

「なんだよ、冗談だろ。虎鉄だって固まってたじゃん」
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