絶対に好きじゃナイ!
それからソファに座って待つように言われて、社長の大きなTシャツを着たままもう一度そこに座った。
ズボンも出してくれたんだけど、大きくてずり落ちちゃうから諦めた。
まあ、Tシャツが大きいから膝上のワンピースみたいに着れるし。
社長の部屋の中ならいいか、なんて思っちゃう。
わたしをソファに座らせて、社長は少し部屋の中をうろうろとしてた。
たぶん、お仕事のために読んでる雑誌を片付けたり、わたしの濡れた服を乾燥機にかけてくれたり。
ソファの前にある低いテーブルに温かいお茶を運んでくれたとき、さも当然のことのようにわたしのおでこにキスをして行った。
ちゅっていう可愛い音に、わたしの頬は素直に赤くなる。
ヤダな、なんだかこんなのわたしじゃないみたい。
甘すぎる社長といつになく従順な自分自身に、ちょっと調子が狂う。
俯いてもじもじしていると、社長が戻って来てわたしの隣に腰をおろした。
「あ、あの、社長……?」
そういえば何も言わずについて来ちゃったけど、わたし何でここに連れて来られたのかな?
ていうか、お部屋なんかにお邪魔しちゃってよかったんだろうか。