絶対に好きじゃナイ!
なに……?
今、なにに対して謝ったの?
わたしもすっかり青い顔になっていたかもしれないけど、社長のほうも暗く沈んだ表情だった。
どこか寂しそうな顔をして、わたしと目を合わそうとしない。
「もうしねえから、頼むからあんま心配かけんな。寿命が縮む」
身を切るような声だった。
わたしのほうを見ようとしない社長にはわからなかったと思うけど、その言葉にわたしはきっと絶望的な顔をした。
目の前のドアが閉められて、真っ暗な玄関にひとり残された。
ドアの向こうで社長が遠ざかる足音が聞こえて、微かに要さんが何かを言ってる声がする。
だけどその音もすぐになくなって、ひとりぼっちの玄関でただ閉ざされたドアを見つめて立っていた。
「い、イヤだ……」
腕を伸ばして、縋りつくように冷たいドアに手をつく。