ショコラノアール~運命の恋~
「まあ、そうなのそれは大変だわね、

 いいんじゃない?

 パパに聞いてあげるわ。

 部屋は空いてるんだし、

 今パパがあんなだから、男手助かるわ」


「ちょっとお姉ちゃん、

 本気?

 だって今朝私に……」


「ああ、そのこと?

 まあそれも考えにはあるけど、

 とりあえず、その、仲直りしたから、


今日は家に帰るわ。


 あ、そうそう、陽ちゃんの話だったわね。

 客間使ってもらえばいいわ。こっちよ。」


陽ちゃんを連れて、1階の奥の部屋へ、

行ってしまった姉を呆然と見送った。


陽君はお姉ちゃんにとっても、

幼馴染。

お姉ちゃんにとっては陽君は世話のかかる弟分だったから、

私とは違う感覚で助けたいと思うんだろうけど、

ちょっと私がお年頃だってことわかってるんだろうか。


それにしても、

昨日の夜や今朝までのお姉ちゃんの様子とは掌返すような変わり身。

私はついていけない。

お姉ちゃんの決定は絶対。

私の気持ちなんて考えてないでしょ?

なんか振り回されてるよね私。

「もぉ。」








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