ショコラノアール~運命の恋~
それにしても、

今日、仕事に行かなかったこと、

だれも不思議に思わなかったのかな。


ちょっと、何かしら言われて、

言い訳するの面倒だったから、言われなくてありがたいけど、

実際に何も言われないと、

やっぱり、誰も私には興味はないのかななんて、後ろ向きになってしまう。



ダメダメ悪い癖だ。


「ちょっと、出てくるからね」


パパに声をかけて、家をでる。


バスに乗ってまた、いつものバス停で降りる。


朝から行こうかと思っていた、

ゴロちゃんのお店に、向かうつもりだ。


1時くらいになると、仕込みをするはずだからと、

それまでの時間、ウィンドーショッピングでもしようかと思っていたけど、

オープンもまだな時間だったから、あのカフェで時間を潰そうとしていた。

あいつに会わなければ今頃ゴロちゃんのところに行って私の愚痴を聞いてもらおうとしていたのに。

ホントあいつのせいでだいなし。

グーっお腹が鳴った。

そういえば、お昼食べてない。

お弁当あったんだ。

お姉ちゃんの張り切って作りすぎた朝ごはん。



バス停まで戻って、そのままベンチに座る。


バックから即席のサンドイッチを取りだし、パクついた。

「美味しい」

お昼なんてすっかり忘れてた。

あいつのために一度家に戻ったおかげで、

新しいレシピが完成したんだった。

それは一寸感謝かな。



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