ショコラノアール~運命の恋~
「3年前のバレンタインデー。
僕は拾いものをしたんだ。
それは君のものだった
今でもそれは運命だったって思ってる。
僕は拾ったのは君が誰かのために作ったチョコレートだったんだ」
「3年前……」
「そのチョコレートには、
そこには心のこもったメッセージと君の名前の書いてあるカードが添えられていて、
俺がもらったりしちゃいけないものだって判っていたけど、
それは、できなくて、
ごめん、食べちゃったんだそれ」
「あのチョコレート、どこにあったの?」
俺は上を指差した。
不思議そうに空を見上げて目をぱちぱちさせた。
「空?」
「うん空から降ってきた」
「空からって?」
「犯人はあいつ」
カアッ
とのんきな声を出すカラスは、
少し離れたところで一声鳴いた。
「あいつ、さっきの奴かな、
ケガ、大したことないみたいだな。
きっと君に感謝してるよ」
彼女はそれには何も言わずじっとカラスを見ていた。