ショコラノアール~運命の恋~
「夢なんかじゃないよ。

 本当のことだよ。ほら」


笑顔で差し出した手を、恐る恐るつないだ。


「ね?」


「うん」


じんわりと温かくなって

彼女の存在が確かだと訴えている。

「直樹君」

「え?」

「なおくん、なお、なんて呼ぼうかな」

「なんとでも。

 じゃ俺、しのちゃんて呼ぼうかな」

「なおくん」

「しのちゃん」

「なおくん」

「しのちゃん」

ふふふっ

「バカップルだ~」

ははっ

「だな~」



俺たちは笑いながら名前を呼び合いながら

手をつないで

気持ちがつながる幸せをかみしめた。

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