ショコラノアール~運命の恋~
本当にそうだ、きっと何度も、

同じお店にいたり、同じ電車に乗ったり、

すれ違ったり、気がつかなかっだけで、

ちょっとのなにかで出会う時期は違っていたにちがいない。


3年もの間、なお君は私を探してくれていたはずなのだ。


もっと早く会えても良さそうなものだ。

この時間は私たちにとってとっても必要なものだったのかもしれない。

そう思えてならないのは私だけなのかな。

ちょうど同じ時期に失くした恋心。

それをつないだのは私の作ったチョコ。

それもママに教わったブラウニー

そして私たちの不幸と不幸をつなぎ合わせたカラス。


「ふふっ」

「何がおかしいの?」

「だって、カラスが恋のキューピットなんて、

 世界中探したって私たちくらいだと思って」


「ふっ本当だ、

 そう言えば最初のチョコ、

 昨日のケーキ、

 今日の罠。

 本当に普通じゃないな」


「でも、カラスのおかげだよね」


「カラスのセイって話もある」


「そこはプラスに考えて?

 私たちをつないだ出来事なんだから」


「つないだ、か……」

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