ショコラノアール~運命の恋~
「うん、つないでるでしょ」

さっきアドレス交換のために放してた手を、


コツンとぶつけた。

なお君は照れ臭そうに口角をあげて笑って、

その手を握ってくれた。

さっきは何気なくつないじゃったけど、

今度はつないだ手をマジマジ見つめてしまう。

大きくて男の人の手だなあ、

まだ学生なのに、アルバイトしてるせいかな、働いてる人の手。


「何?」

「大きい手だなあって」

「……小さい手だね。

 この手があの美味しいチョコとかケーキとか作るんだね。

 しのちゃんは魔法の手を持ってるんだね」


「えっ」

「顔、真っ赤だ」

「だってそんなお世辞でも、ほめられたら恥ずかしい」

「ホント、本気で言ってるよ。

 きっかけのチョコも凄い美味かったし、

 この間「楡」でもらったチョコも美味しかったし、

 カラスにやられはしたけど、

 昨日のケーキも美味かった。」

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