ショコラノアール~運命の恋~
********

チョコレートの香りが大好きになったのはいつからだろう?

ママが、時折作ってくれたブラウニー、

学校から戻った時、

チョコレートの香りがすると、

嬉しくてたまらなかった。


私にとっておふくろの味ってブラウニーなんだと思う。


だって私が10さいの時ママは、

突然いなくなってしまったから。


さいごに一緒に過ごした時、

二人で作って食べた大好きなブラウニー

でもちょっとさみしい思い出。


「ただ今」


「お帰りなさい」

誰もいないはずの家に姉が里帰りしていた。


というよりお姉ちゃんは結婚後も我が家に入り浸っている。


パパのことが心配なのもあるんだろうけど、

〈私じゃ任せられないってことなんだよね)

お弁当まで作って届ける始末。


お姉ちゃんは小学校の先生をしていて、

旦那さんは楡崎吾朗さん。


ずっと幼馴染みだったゴロちゃんと腐れ縁で結婚したのだけど

ゴロちゃんが居酒屋さんをしているせいで殆どすれ違い生活なので

ここに入り浸っても、何ら問題が生じないのも原因の一つ。











< 14 / 338 >

この作品をシェア

pagetop