ショコラノアール~運命の恋~
近くの量販スーパーは、なぜか、

普通のスーパーには置いてないような、めずらしい素材がそろえてあり重宝している。

まあ。多少値が張るけど、

間に合わせにするときはしょうがないよね。


生クルミの袋とアーモンドプードル、

いくつか試しに使いたい材料をかごに入れレジに並ぶ。


時計を見るともう2時を回っていた。


「今日はなんだかあった言う間に時間が過ぎちゃうな

 でも、お腹すいたかも」


歩きながらぐ~~っとなるお腹を、


ぽんぽんっとかるく叩いてなだめた。



「あれ?」


車道の向こうに信じたくない光景が。



「まさか……」


なお君が、女の子と楽しそうに話をする様子。


まさかなお君じゃないよ、似てる人だよきっと。


目を瞑って、頭を振る。


これから彼のことを思ってケーキを作るんだから。

疑ったりするなんてダメよ。

でも……

見ないように目をそらしたけど、

また視線を戻してしまう。


「あ……」

なお君のバイト先のバイク……

両手に持っていたビニール袋を、

箱にしまって、

さっきの女の子の背中を目で追っている。


まるで離れがたい恋人みたい……


「なおくん……」


バイクに乗って走り去るまで、

私はそんな、なお君から、目が離せなかった。



フラッシュバックする


高校時代の切ない思い出が……








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