ショコラノアール~運命の恋~
なお君の言葉を信じるしかない。

陽君が余分なこと言わなくちゃいいけど、

二人に、

合図して、

裏口から、

お店に入る。


「すみませんでした」

「きゃあっしのちゃん倒れちゃったんだって大丈夫?

 ちっとも帰ってこないから心配してたのよ。」


「今日は、もう、家に帰って休んだ方がいいわよね。

 ねえ、店長?」


「もういいのか?」

「はい、大丈夫です」

「めし、食ってなかっただろう?

 飯食って、それ仕上げろ。」


「あ、はい」


そうだった、私ケーキ途中だった。

店長怒ってる気がする、

せっかく期待してくれたのに、

ダメだなホント私って中途半端で、



お昼、買ってこなきゃ……


裏口から出ると、

なお君だけが立っていた。

「パン食べる?」

その私に向けられる笑顔に泣きたくなった。







 

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