ショコラノアール~運命の恋~
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「大丈夫?」


私が頭を抱えてぼんやりしていることに気がついた姉が、


また発作を起こしたのかとあわてて声を出した。


「あ、うん大丈夫考え事してた」

「そう、ならいいの、あの人帰ってきそうにないから3人でご飯食べよ?」


「え?いいよ待ってようよ今日くらい」


「判ってるバレンタインぐらい、夫婦で乾杯するから心配しないで

たぶん11時過ぎるから、ご飯は一緒は無理よ

それに……」


「それに?」


「10時過ぎて食べると太るって知ってた?」

え?もう9時半、


「先食べよう!パパパパご飯だって~」

リビングでごろりとしていた父がもっこりと起き上がった。

「おおそうか」


決して自己主張しない父、

ママが出ていくまでイケメンで近所でも評判の自慢のパパだった。

出張が多くてママは淋しい思いもしたのかもしれないけど、

二人でいる時は仲よさそうだったのに、


夫婦なんて判んない。



あの当時小さかった私は詳しいことは知らない。



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